DJと言っても色々なジャンルのDJがいます。

そしてそのジャンルの数だけDJのスタイルにも違いがあります。

たとえば私はミニマル、テクノ、トランス、ドラムンベースが主に好きなのですが、これらのジャンルは基本的に楽曲自体DJが繋ぐ事を前提で作られている為(BPMの範囲がある程度きまっていたり、16小節ごとに展開があるなど、ある一定のお約束の上で作られているという事です)正直繋がないDJというのはお話になりません。

逆に繋がない方が良いジャンルもある

これが例えばジャズだとかソウルだとかのDJになってくると話は変わってくる場合があります

ジャンルとしての定義がないジャンルの場合だと楽曲毎にBPMもバラバラだったり、ずっとメロディがはいっていたり、ブレイクが無いなんて場合もあります。

これらの曲を無理やり繋ごうとすると不協和音になったり、無理にBPMを合わせようとする事で曲の雰囲気をぶち壊してしまうことにもなりかねないからです。

繋がなくても上手かったクラブジャズのDJ

私が初めて見た繋がないのに上手いと思った人はクラブジャズのDJでした。

BPMを合わせるなんて殆どしていませんでしたし、ミックス面でもその曲が終わってから次の曲を掛けるかあとは途中で半場無理やりに(見えただけ?)ブッコミをしていました。

それでもお客さんは足を止めずに大盛り上がりで踊り続けていたんです。

こういうタイプのDJを見たことがなかったので、それまではお客さんを躍らせるにはミックス技術が重要だと信じていた私はカルチャーショックを受け「こういうスタイルもあるんだな~結局お客さんが満足して踊っていれば繋ぎの技術ってあんまり関係ないのかもな~」と道に迷った瞬間でしたw

ステージにターンテーブルが1台しかなかったDJ

ダブレゲエで有名なジャーシャカという人のDJ?を始めてみたときもカルチャーショックでした。だってステージを見たらターンテーブルが一台しか置いてないんですからwwもう繋ぐ繋がない以前の問題ですw

この人のDJは一曲かけてその曲が終わるとマイクで「ジャーラスタファーラーイ」と言いながらレコードのB面(トラックのみ)の方をかけて自分が歌い始めたりします、で、その曲が終わるとまた「じゃーらすたふぁーらーい」wと言って違うレコードを頭から掛け始めるという凄いスタイルでしたw

それでもお客さんは大盛り上がりでしたし自分もすごく楽しかったです。

といった様に繋がなくても選曲がよかったり何らかのパフォーマンスをいれたりするとジャンルによってはミックスのテクニックなんて全くなくても成立する場合があるという事です。

繋ぎに対する概念を変えるDJ光という天才DJ

私が神だと思っているDJ光(blast head)という人が居ます。この人は普通の繋がせても上手いですがBPMが全く違う曲もぶっこんだり変なミックスをしてみたりしながらも驚くほど自然に繋いでしまう技術を持っています。

ルーツレゲエからはじまりヒップホップ→ハウス→テクノ→ドラムンベースという具合にBPMもジャンルも関係なしにミックスをしてお客さんを踊らさせ続けているのを見たときはショック死しそうになりましたw

色々なDJを見てきましたがこの人ほどジャンル垣根無しの選曲をして、しかもお客さんの足を止めさせずに踊り続けさせる事が出来るDJは見たことがありません。

「この曲にこの曲繋いじゃうの?」というあり得ないような曲同士をミックスしてDJしながら新しい曲を作ってしまう天才DJです。

何のジャンルのDJなの?と聞かれても「DJ光」としかいえませんwもう本人がジャンルになってしまっているようなプレイなんです。

ちなみに私がDJを辞めようと思ったのは、この人のプレイを見てしまったというのも原因の一つですw他のDJを見ていても「確かに上手いけど自分も練習すれば超せるかも」と思ったりしていましたがこの人には絶対に勝てないと思いました。

東高円寺グラスルーツとDJ光

特にDJ光のプレイが冴えるのが東高円寺にあるグラスルーツという彼のホームグラウンドのお店でプレイした時です、昔は毎日のようにDJをしていた時期もありましたが、途中から日本中からオファーが来るようになり回数も減っていき、さらに今は沖縄に移住してしまったようで彼のDJをみたくても簡単に見ることはできなそうです。

当時をグラスルーツで彼のプレイを聴いたことがある人は皆口を揃えて「光のDJは最高だ!」と言います。

もし一度もDJ光のプレイを見たことがない方は、どこかで見る事が出来る機会があったら絶対に見ておいたほうがいいです。DJの方は特に繋ぎに対する概念が変わると思います。

DJの繋ぎについての文章を書いているうちに、ついつい光君の事を思い出してしまって話がそれてしまいましたがw要するにDJの上手い下手は繋ぎだけではないということです(無理やり〆!)